株式会社オリナス・パートナーズ / ORINUS PARTNERS Ltd.

ブータン政府との連携による、きのこの生産事業化調査

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プロジェクトの概要

  • 日本企業によるブータン現地小規模農家へのきのこ生産技術移転とBoP層の所得向上支援
  • ブータン政府との合弁事業によるきのこ産業インフラ整備及び人材育成

プロジェクトを立ち上げたきっかけ

「ブータン政府×岐阜県きのこ菌種メーカー」のはじまり

ブータン政府は経済成長の柱として有機農業の振興を2007年頃より推進しており、中でも生産効率のよいきのこ産業の育成は特に注力していました。しかし現実には海外からの技術移転は容易ではなく、なかなか定着には至りませんでした。

一方その頃、日本の有機きのこ栽培のパニオニア・ハルカインターナショナル社(岐阜県郡上市)は、世界的に高まっている有機きのこへのニーズに応えるべく自社の栽培技術を海外移転し、更なる事業拡大を検討していました。

そして2013年、トブゲイ首相率いるブータン政府が来日。ハルカインターナショナル社の低設備投資で高品質な有機きのこの生産技術に関心を持ち、自国への事業進出を要請するに至りました。翌2014年に最初の一歩として、ブータンへ技術移転を行うための事業化調査実施が決定しました。

本事業の特徴

事業展開を通して、現地農家の所得向上に寄与することを目指して

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豊かな森林資源に恵まれたブータン。ここではきのこが特に好まれており一般家庭の料理にも頻繁に使われています。しかし、現地農家の栽培方法は原始的で生産性が低く、きのこ専業では生計を立てることは難しいとされています。そのため、国内消費量の約9割はインドからの輸入に頼っているのが現状です。また、ブータンでは地方の農家の所得が低く、都市部で学業を修めた若者が実家の農業を継がないケースが増えており、結果として地方の過疎化と都市の若者の失業が深刻な社会課題となっています。
そこで本事業では、低設備投資で高収量のきのこ生産方式を農家に技術移転し、きのこ生産で十分に生活できるよう支援することを目標に掲げました。さらに、政府とハルカインターナショナルの合弁事業により、良質な菌をブータン国内で培養し、農家に安定的に供給することで将来的には「国産きのこ」産業を拡大していくことを計画しています。

オリナス・パートナーズの関わりとプロジェクトの成果

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海外進出のジレンマをサポート

海外展開を目指す日本企業の多くは、その技術力は高くとも、現地での交渉や事業推進そのものの方向性に不安を抱えている事も多く、ハルカインターナショナル社でも同様の課題がありました。
特に今回はブータン政府からの要請に応えられるほどの高い技術力を有しているにも関わらず、その政府機関との交渉等については経験がなかったことから、オリナス・パートナーズが代理人としてその役割を担うことになりました。具体的には、ブータン政府との合弁事業の検討を進めるための検証項目の設定と政府との事前交渉、またパイロット生産実施結果を受けての事業化に向けた両者の要望の整理、合意形成を実施しました。これにより、最終的には両者の間でMOUが締結され、事業化に向け足場が固まるに至りました。

ご担当者の声

株式会社ハルカインターナショナル 会長 井上九州男(いのうえくすお)様
ご担当者
当社は岐阜県郡上市できのこの菌床培養から栽培まで一貫生産を行っています。当社の技術は高品質の有機きのこが低設備投資で実現できる点が特長で、先進国はもとより、ブータンのように利用できる設備が限られる地域にも移転可能であることが本プロジェクトを通じて検証できました。オリナス・パートナーズには調査の全体設計、通訳を含めた関係機関とのコミュニケーションの部分で助けていただきました。今後も引き続き政府機関との交渉を続けていき、一日も早くブータンのきのこ農家の所得が増え、生活が豊かになる姿を見たいと思います。
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